【藤井 総さん】IT企業特化で世界に羽ばたくスタートアップ企業の支援を!|弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所
- 2021.06.27
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今回はLuatsu(ルーツ)立ち上げ当初よりメンバー・パートナーとして参画している弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所の藤井総氏に、ご自身の活動やスタートアップとの関わりについて話を聞きました。
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【プロフィール】 藤井 総 So Fujii
弁護士法人ファースト&タンデムスプリント法律事務所 代表弁護士
IT弁護士.com 運営
2005年司法試験合格、2006年慶應義塾大学法学部卒。2015年にファースト法律事務所を開設(2018年にファースト&タンデムスプリント法律事務所に名称変更)。専門はITサービスの法律問題で、ITサービスを提供する企業に法律顧問サービスを提供している。ミッションは「世界を便利にしてくれるITサービスをサポートする」。ITを活用して世界中を旅しながら働いている。
1. いま現在の弁護士としての活動や事業内容はどんなものですか?
ITサービスやIT業界に関して、ビジネス面でも法律面でも精通しているので、IT企業・IT関連組織に特化した法律顧問サービスの提供が主な業務です。
自分自身がITサービスを業務で活用していることもあり、ITサービスの活用をテーマに講演をしたり取材を受けることも多いです。
NewsPicks:Innovators Talk#1【働き方モデル】完全IT化で、世界を旅しながら働く弁護士
チームの教科書:自らをクラウドサービス化した藤井弁護士に聞く ─ ITによる自由な働き方で成功を収める秘訣
2. IT企業を多く支援するようになったきっかけにはどのようなことがあるのでしょうか?
昔からITツールが好きで業務にも活用していたのと、学生時代に司法試験に合格して卒業後そのまま弁護士になったので、実年齢も見た目も若く、そんな自分に依頼をしてくれる(若さ故のフットワークの軽さを評価してくれる)クライアントはIT業界の方が多いだろうと思ったことから、積極的にIT企業の案件を受けるようにしたからです。
また、自分でウェブサイトを開設して、IT業界向けの法律情報をアップしていたので、そこからも問い合わせが来ました。
「Business Law Journal」2014年11月号別冊付録 【LAWYERS GUIDE ~Specific specialist edition~】(レクシスネクシス・ジャパン株式会社 編)
この当時はメガネにスーツで、いかにも弁護士という見た目でした。
3. スタートアップ企業との関わりも多いと思いますが、その際に特に気をつけていることや、支援の特徴などあれば教えてください。
仕事のスピードです。スタートアップ企業のビジネスには、なんといってもスピードが重要です。弁護士がそこにブレーキをかけてはいけません。
私は、顧問先からの問合せに対して、365日24時間以内の回答を約束しています。クラウド型ビジネスチャットツール「チャットワーク」を駆使することで、いつでもどこでも、問合せに回答できる体制にしています。
私の業務スピードに対して、顧問先からは、「24時間ダウンしないAI搭載のサーバ」、「まるで当社だけが顧問先かのような対応スピード」、「こちらのスピードと同じか、一歩先を行っている」、といった評価をいただいています。
4. 「世界を便利にしてくれるITサービスをサポートする」というミッションを実現するために、意識していることはありますか?
できない理由を探すのではなく、できる方法を考えることです。
弁護士に相談したところ、色々とリスクを指摘されるばかりで、結局どうすればいいのか分からなかった。自分が責任を負わないように、逃げのコメントをしているに感じた。という意見を聞くことがあります。企業にとって、細かい法律の理屈ばかり言われても困ります。理解するだけでも一苦労ですし、そもそも、知りたいことは、結局どうすればいいのかという、ビジネスの判断に役に立つ情報だけです。企業の皆さんとしては、結論として、OKなのか、ダメなのか、リスクは何なのか、そのリスクが発生する可能性はどれくらいあるのか、そのリスクを無くしたり、減らしたりする方法はないのか、最終的に、会社としてどうすれば良いのか、どの方法が一番オススメなのか、そこまで踏み込んだアドバイスを、弁護士に求めています。
私はできない理由を探すのではなく、できる方法を考えます。クライアントのビジネスにアクセルをかけることができるよう、知恵を絞り、責任をもってアドバイスをすることを心がけています。
5. 常に世界を飛び回って旅しながら仕事をされていますが、ご自身の活動への影響やクライアントへのサポートに影響はあるでしょうか。
世界を飛び回りながら仕事をすることで、オフィスに籠もって仕事をしているだけでは絶対に得られない経験や刺激、様々な人との交流があるのが魅力です。私自身、自分とはまったく違う価値観で働いている海外の現地の人や、現地で働く日本人と出会って、人生観が大きく広がりました。同じ場所で仕事をしていると、無駄は減りますが知識や経験のインプットも減ってしまいます。
インプットが増える旅しながらの生活は、多様性が求められる昨今の価値観を実体験として理解できたり、アイデアの創出に繋がったり、人生の豊かさを体感できる貴重な体験になります。
もちろん、それでクライアントへのサービス提供が疎かになってはいけません。私は業務をクラウド上で完結できるようにしているため、ネットに接続さえしていれば、世界中どこにいても、オフィスにいるのと変わらない状態で仕事ができているのです。
6. 世界に羽ばたく日本のITスタートアップに対して一言あればお願いします。
日本でビジネスをする際は、常に「競合優位性」を意識することになると思います。ですが海外、特に発展途上国でビジネスをする際は、日本でビジネスをしていたらあり得ないような、想像を絶する小さなトラブルが山のようにあります。
例えば、「請求書を送って入金してもらう」という業務を考えてみてください。日本なら、最近はクラウド請求システムも普及しているので、総務担当がボタン一つで請求書を送信して、あとは期日になれば入金がされているので、それを確認するというだけの、極めてシンプルな作業です。しかし、例えば法律上、請求書に印紙を貼らないといけない国では、クラウド請求システムなんて使えません。紙の請求書をいちいち郵送する必要があります。しかも発展途上国の郵便事情はよろしくないため、郵便が届かないことも日常茶飯事です。無事相手に届いても、郵便物を受け取った人が然るべき担当(経理)に手渡してくれるかも未知数です(その程度の作業が放置されることも普通)。さらに請求書が経理に回されても、入金がないことも珍しくありません。「督促されたら払えばいい」みたいなノリで、カジュアルに放置されたりもすることもあります。
そういった、日本でビジネスをしていたらあり得ないような、想像を絶する小さなトラブルを根気強く潰していかないといけません。パワポ上の綺麗なビジネスプランなんて通用しないのです。競合優位性よりもまずはそこを乗り越えないといけないので、気合と覚悟で頑張らないといけません。