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【Portrich権藤勇樹さんインタビュー】海外展開を加速し、国際物流のスタンダードを構築していく

今回は、テクノロジーを使って貿易事業を行っている株式会社Portrichがベトナムでも事業展開されるとのことで、創業者である権藤さんに学生時代の経験や企業の成長過程、今後のビジョンなどについて伺いました。
なお、本記事はIGL DXとの共同記事となっております。起業のきっかけや現在の事業の具体的な内容は、IGL DXの記事に詳しいインタビューを掲載しています。ぜひ併せてご覧ください。
IGL DXの記事はこちらから: “テクノロジーの力で、ストレスフリーな国際貿易を。”

<プロフィール>
権藤勇樹さん
株式会社Portrich 代表取締役
大学卒業後、3年間貿易業界で勤務した後、退職し、2020年12月末に株式会社Portrichを起業。独自の国際物流プラットフォームサービスを提供してフォワーディングを行いながら、サプライチェーンのDXを図っている。

<Portrichについて〉
株式会社Portrichは、今までイノベーションが起こらなかった国際物流を舞台に、自社開発した”国際物流のプラットフォーム”を用いて、効率化・可視化・手軽さをお客様に届けます。
Website:Portrich

Portrichは、イノベーションを通じて世界に幸せを運ぶをミッションに、これまで国際貿易において生じていた不便さをなくし、アナログとデジタル、それぞれの良さを調和させたシステムを生み出している。

1. どのような学生時代を過ごされていたのでしょうか。また、その時の経験は今の仕事にどう影響していますか?

大学2回生になる時に急性膵炎になり、1年ほどプレー出来なくなるまでは、ずっとサッカーに打ち込んでいました。サッカーは、プロを目指して小学校の頃から真剣に取り組んでいました。病気になったことと、実力的な限界も感じていたことから辞めてしまいましたが、この経験から今の仕事に活きていることは、物怖じしない精神です。

また、高校のスローガンとして、”怯まず、驕らず、溌剌と” といったものがあり、その考え方がいま、現状の成長に満足せず、元気に働く、という考えに活きていると思います。

2. 大学卒業後、なぜ今の業界に就職したのですか?

漠然と「海外とつながりのある仕事をしたい」という気持ちがあったのが理由です。そのため、とりあえず就職活動をして、海外経験を積めそうな貿易関係の企業に入りました。ただ、親戚で起業をした人が多く、もともと自分でも何かやってみたいと思っていたので、会社に入った時点で「3年で辞めます」と宣言しました。本当に辞めるとは誰も思っていなかったと思うのですが、自身で起業してフォワーディングの課題を解決したいと考え、実際に3年で退職させていただき、起業に踏み切りました。

*「起業に至るまでの経緯」についてはIGL DXの記事にも詳細

3. 創業にあたって大変だったことは何かありますか?また、初期にどのようにメンバーを集めてこられたのでしょうか。

金銭面での問題です。給料が多くなかったこともあり、退職時は手持ち120万、エクイティファイナンス直前は40万しか口座にありませんでした。金銭的な余裕がないことで、精神的にも焦っていました。

メンバーは、最初の3人まではリファラル(紹介)で集めました。4人目が入るまでが長く、売上がなかなかたっていない状況で、経理やオペレーション、営業は全て自分でやっていたのでしんどかったです。そのタイミングで人を探し始め、2か月ほどで採用しました。5人目は経理、6人目は最初に入ってきた社員のリファラルで、7人目は副業から始めて、エンジニアとして正式に採用しました。つい先日8人目、ツイッター経由で、ベトナムの現地責任者として採用しました。その他は業務委託という形態を取っています。

4. これまでのビジネスはどのように成長してきましたか?

去年の段階ではシステムがまだ完成していなかったので、日本のお客様にフォワーディングの業務をして、売り上げを立てていました。それと同時並行で、Portrichの核となる、クライアントがフォワーディングを管理する新しいシステムを開発し、徐々に既存・新規のお客様に利用してもらっています。5月に新しくクライアントになった会社のポテンシャルが高く、その会社のおかげもあり、売り上げは順調に伸びて黒字化もしています。

次の調達も予定しているので、今後は採用により力を入れ、メンバーも急増していくと思います。

フォワーディング業務とは…
輸出者と輸入者の間に立って、貿易事務や輸送手配にあたって生じる専門業務を助ける仕事

5. これまで主に国内拠点での事業だったということですが、海外拠点を設立予定と伺っています。どういう目的があるのでしょうか。

既にベトナム現地の責任者を雇用しましたので、2022年中にはベトナムに拠点を作り、お客様を支援していく予定です。

我々はフォワーディング業務をDXしていますが、やはり現地での物理的な支援もできるほうが望ましいです。各国・各地域に協力パートナーは多数おりますが、重要な地域には自社の拠点も設けていこうと考えています。

また、Portrichのシステム上においては、できる限りリアルタイムに物流の状況や見積金額などをやりとりできることが望ましいです。フォワーディングに関する新鮮な情報を自社で取得できるようにするためにも、ハブとなる拠点は戦略的に置いていく予定です。

・海外のなかでも進出先にベトナムを選んだ理由は何ですか?

過去10年で、ベトナムと日本の取引が一番大きかったことが決定的な理由です。中国に比べてベトナム市場は小さいですが、圧倒的に伸び率が大きいです。

また、ベトナムと日本の貿易品の内容は、エネルギー関係ではなく、我々がまさに扱いたい食品、家具などの普通品がほとんどです。中国に進出している企業は大体ベトナムにも進出している点や、ベトナムから欧米・北米への出荷が増加傾向にあり、海外から海外への出荷を将来的に事業展開できる可能性が高い点、なども総合的に考慮して、ベトナムへ一番最初に進出すべきだと結論づけました。

Portrichが進出するベトナムの都市 ホーチミン

     

6. ベトナム進出の後、進出したいと考えている国はありますか?

中国、タイ、アメリカ、オランダ、ドイツ、シンガポール、香港、ドバイなどです。私たちが扱いたい商材を多く取引しているかどうかを、進出の基準としています。まずはベトナム展開の基礎をしっかり作りながら、その他の国の展開も迅速に検討していきます。おそらく次は中国になりますが、資本金規制等もあるので、調達も含めてしっかりと準備していく必要があります。

7. 海外事業の展開において、支援者に期待したいことなどありますか?

やはり、海外事業において税務リスクは非常に大きいと考えています。そのため、リスクがなく、かつ、効率的に業務を行えるようなスキーム構築、税務対策についてはぜひ支援いただきたいです。特に、海外拠点がさらに増えてきたとき、各国にまたがってどのような対応をしたらよいのかという点についてはほとんど知識がないため、専門家の力は不可欠と考えています。

もちろん海外に立ち上げる上で無知な点も多く、現地の企業さんを紹介してもらうことも期待しています。

またPortrichは、黒字化しているとはいえ、まだ緩やかに成長しているにとどまります。そのため、人材の採用と海外拠点を増やして自分たちのリソースをさらに広げたいと思っています。

Portrichが提供しているサービス

8. 今後成長していくにあたって、どんな人と働きたいですか?

海外展開もしていくので、次の調達後には様々な人材を募集していく予定です。現在は、システムの構築も進み、多数のお客さんに使っていただきたい時期にきているため、特に日本国内で働けるセールスとセールスマネージャーを募集しています。

セールスの事業の立ち上げに興味ある方がいれば、是非連絡してください!フォワーダーの経験がなくても、基本的な営業の経験をしていれば大丈夫です。

もしご希望があれば、以下からご連絡ください。

株式会社Portrich
メールアドレス:recruit@portrich.com

9. 最後に、今後のビジョンについて教えてください。

1つのアプリケーションで国際物流を簡単に行える弊社のサービスを普及させて、日本だけでなくグローバルにおいて、新たな国際物流のスタンダードを構築したいです。5年、10年ではできなくても、30年、40年、長くて60年かかっても実現させたいです。資金調達のために必要であれば、将来的なIPOも視野に入れています。日本発で世界標準のサービス・プロダクトとなれるように、今後もサービスを磨き続けていきます!

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